出エジプト記２：１１－２５　　神は我々の避け道（하나님은 우리의 피난처）



　　モーセの救いの意味
　　先週は２：１－１０までの箇所を中心として、「モーセの救いの意味」について考えてみました。モーセは世の権力、力を恐れなかった母親の神に対する信仰によって救われました。神に対する信仰は人間を救うことができるのです。私たちの信仰、徹底した信仰によって教会は生かされ、傷つかれている人間の心は癒されるのです。それは、私たちの信仰を神が用いてくださるからなのです。神に対する信仰は無駄なものではないのです。神から必ず報われるのです。神は私たちの信仰を用いて、ご自身の救いのみ業を完成されるのです。神の「密かな働き」によって、私たちの信仰は実を結ぶことができる、ということなのです。

　　続けて、本日は２：１１－２５を中心として、神からのメッセージを考えてみたいと思うのです。２：１１－１５節までは、「回心の前のモーセ」の姿と彼の価値観について、つまり神より召命を受ける前にモーセの姿が書かれています。１６－２２節までは「モーセのメディアン地方への旅たち」、そして２３－２５節までは「イスラエルの人々に対する神の憐れみ」が書かれています。

　　モーセの価値観
　　まず、第一にモーセの価値観を窺うことができると思います。回心前のモーセは同じ民族であるヘブライ人に対する愛着を持っていました。ヘブライ人を苦しめていたエジプト人をみて、同情心に導かれてエジプト人を殺すのです。それを抑制することが出来なかったのであります。彼のもっていた価値観は、「力こそ問題解決策である」ということではないかと考えられるのです。偏狭な民族愛だったのです。二元論的な価値観であったのです。自己中心的な価値観でありました。「私は義であり、正しいであるが、しかし、あなたたちは悪い」ということだったのです。

　　人間は価値観に基づいて行動を決定するのです。価値観は人間の思考、行動、生活パータンなどに大きな影響を与えるものです。社会における様々な争いなどは、実はその原因を探ってみると、価値観の衝突によるものです。神に支配されてない価値観は、神の御胸に反するものとなってしまうのです。

　　私たちは、モーセと同じような例をパウロからも窺うことができると思います。回心の前のパウロは「肉に頼っていた人」でした。人間の信念を神に対する信仰であると考えていました。彼は「律法の義については非のうちところのない」人間でした。熱心さで言えばパウロは「教会の迫害者」であったのです。神の働きを全うするには、足りない人間だったのです。回心の前のパウロの価値観は、神の御旨に反するものでした。つまり、人間的な価値観をもっている人は、神に仕えるには相応しくない、ということなのです。

　　モーセに対する神の導き
　　殺人という罪を犯したモーセはエジプトから逃げ出すのです。彼はメディアン地方まで旅たちました。メディアン地方は、今のシナイ半島の東側なのです。しかし、モーセの旅たちは「神の導き」であったのです。神が備えた「避け道」であったのです。モーセはミディアン地方で「祭司のレウエル」と出会うのです。「レウエル」という名前の意味は「お友達」また「神の羊飼い」という意味です。出エジプト記３：１ではレウエルをエトロと紹介されているのですが、この人は神を信じていた人でした。出エジプト記１８：８－１２を読んでみると、レウエルはイスラエルの出エジプトの出来事を聞き、神を賛美しました。彼はこう言いました。「主をたたえよ。主はあなたたちをエジプト人の手から、ファラオの手から救い出された。主はエジプト人のもとから、民を救い出された。今私は知った。彼らがイスラエルに向かって、高慢にふるまったときにも、主は全ての神々にまさって偉大であったことを」（１８：１０－１１）と。レウエルは、神を救い主として、全能者として、さらに神々の神として、賛美し、告白していますね。そしてレウエルは神のささげものといけにえ捧げたのです。

　　神はモーセのために、レウエルという敬虔な人を備えていました。モーセを用いるために、神はレウエルをご自分の器として用いたのです。モーセにとってレウエルとの出会いは「神の逃げところ」であったのです。神はレウエルを通して、モーセの心を癒されたわけなのです。
　　
　　福音の意味
　　神はモーセような「人間的な価値観」の持ち主を選びました。また、神は神ご自身が選ばれた人間に対して責任を取ってくださるのです。神は「人間的に完璧な人間」を選ぶわけではありません。教会の迫害者をも神はお選びになるのです。まさに、神がキリストにあって、罪人である私たちを愛し、選ばれたことと同じことではないでしょうか。神がイエス・キリストを通して示された愛、選びの恵みと同じことではないでしょうか。キリストがこの地に来られ、十字架という苦難の道を歩まれたことは、肉にたよっていて、人間的な価値観に支配されていた私たちを、選び神の国の柱として、また教会の器として、立ててくださるためではないでしょうか。これこそ「福音」の意味ではないでしょうか。

　　神は私たちのために常に「道を備えてくださる」のです。まるでモーセが経験な信仰の持ち主と出会うように導かれたことと同じように、神は私たちのたえに「逃げ道」を備えてくださるのです。神は私たちの助けなのです。神は私たちの「逃げところ」なのです。神は私たちの「力であり、逃げところとする岩」なのです。私たちの「砦の塔」です。ですから私たちはどんなことがあっても、どんなに酷目にあっても、不幸なことがあっても、動揺する必要はありません。ダビデは詩篇６１篇でこう言っています。

　　「あなたはつねに私の避けところ、敵に対する力強い塔となってくださいます。あなたの幕屋に私は永久に宿り、あなたの翼を避け所として隠れます」と（詩篇６１：４－５）。私たちの栄えと救いは神にかかっています。私たちの限界のある「知恵」を頼りとするのではなく、イエス・キリストにあって私たちを選び、愛して居られる「神」を頼りとしなければならないのです。

　　神を頼りとしているならば、私たちは恐れる必要はありません。神は私たちの嘆きを聞き、私たちを顧みておられるからなのです。出エジプト記２：２３－２５節に、こう書かれています。共に読んで見ましょう。「それから長い年月がたち、エジプト王は死んだ。その間、イスラエルの人々は労働おゆえにうめき、叫んだ。労働のゆえに助けを求める彼らの叫び声は神に届いた。神はその嘆きを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。神はイスラエルの人々を顧み、御心に留められた」。