エゼキエル４７：１－１２　　　　　神の回復（하나님의 회복）



　　エゼキエル書とは
　　今朝は、エゼキエル４７：１－１２を通して神のメッセージを聞いて参りたいと思います。私たちにとってエゼキエル書は、神がエゼキエルという預言者に示された「神の黙示」が書かれておりまして、なかなか「理解し難い箇所が多いもの」であります。それゆえ、あまり「なじみのない」預言書の中で一つではないかと思います。

　　列王記下２４：１４を見ると、バベロンの王ネブカドネツァルがエルサレムに攻めてきて、都を包囲し、ユダヤ人の中で高官、勇士らなどといった貴族たち1万人を捕囚として連れ去るのです。エゼキエルはその時、捕囚としてバベロンに連れ去れたユダヤ人の末裔でのでありまして、バベロンで神から預言者として召された人でした（エゼキエル１：１－３）。エゼキエルが預言者として活躍していた時代は、「希望のない時代」でありました。それは、ユダヤ人の信仰の象徴であるエルサレム神殿が破壊され、神の民は皆捕囚され、ユダヤという国は無くなってしまったからです。いつ、国を再建できるか、どうかということをも予測できない、いわば「暗いトンネルの時代」でありました。そうした中で、神はエゼキエルを通して「神から与えられる栄光輝かしい神の希望、また神の手によって建てられる神の国」を伝えられているのです。


　　回復という言葉
　　さて、私たちがよく耳にする言葉の中で一つに「回復」という言葉があります。礼拝の「回復」とか、政治の「回復」とか、家庭の「回復」とか、健康の「回復」とか、日常生活の中で、よく聞いているのです。「回復」というのは「力が付いたり手当てが行われたりして、病人やけが人が健康状態に戻る」という意味を持っている言葉なのです。言い換えれば、これは「元の良かった状態を取り返す」という意味ですね。もし、私たちの体が病で倒れ、弱くなると、様々な方法を用いて体を、元の良かった状態を取り返させようとし、そうした試みがもし成功すると、元気を取り戻すのであります。

　　ところが、霊的な病の「回復」は私たちの試みでは出来ないことであります。信仰的に誘惑に陥っている人を、そして彼の信仰を、あるいは自分自身の信仰、さらには教会を「元の良かった状態を取り返す」ことは、私たちの力ではなかなか出来ないことではないでしょうか。私たちは、私たちを含め、私たちの教会を最も健全な教会として建て直したいと強く願っているのです。その願いは神に対する願望です。私たちの信仰や、教会の「回復」は、「武力、あるいは権力によるものではなく、ただ主の霊によって」初めて可能となるものであります。つまり、「神の回復」が必要です。


　　神は回復の源
　　まず、本文が教えていることは、神は「回復の源」であることなのです。４７：１－５をみると、「神殿の敷居の下から湧き上がった水が増えて、人間が泳ぎで渡ることの出来ない大きな川になること」を伝えているのです。イスラエル人にとって、神殿は神の臨みの象徴であります。神信仰は神殿信仰でありました。

　　紀元前538年、ペルシャ王キュロスの布告により捕囚の民がエルサレムへの帰還を許されたとき、民を率い先頭に立ってエルサレムに帰ったのがゼルバベルでした。ゼルバベルがエルサレムの帰って真っ先に行ったことは、廃墟と化した神殿に祭壇を築き、主に礼拝をささげることでした。イスラエル人は神殿を見て、神の臨在を感じ、神殿を中心に神を信仰していたからなのです。「水が神殿の敷居の下から湧き上がった」ことをエゼキエルがみたことは、その水の源は神であることの象徴です。

　　また、５節にあるように、神殿から湧き上がった水は「泳げなければ渡ることの出来ない大きな川」になったと言います。それは、神が主体をもって回復してくださると、人間はそれを測ることは出来ないという意味です。神による回復は、私たちの期待以上のものであります。


　　全てのものが生き返る（６－１２）
　　神殿から湧き上がった水が大きな川になることを見せてくださった神は、エゼキエルを川岸へ連れ戻しました（６節）。そして新たな光景を見せてくださり、彼にこう仰せられました。それは、汚れた海がこの水によってきれいになること、川のあちらこちら側に多くの木が生えていること、川が流れる所では「全てのものが生き返る」ことでした。１０節にあるように、神は「エン・ゲディからエン・エグライムに至るまで、網を広げて干す所となる」と言われました。ここは、死海です。死んだ海が生き返ることの意味です。私たちは、せいぜい「元の良かった状態を取り返す」ことしか出来ないのです。これがまた、私たちの限界です。しかしながら、神による回復は死んだ海をも、全てのものが生き返らせるものであり、「永遠に枯れることのない」（１２節）ものであるのです。

　　１２節ですが「川のほとり、その岸には、こちら側にもあちら側にも、あらゆる果樹が大きくなり、葉は枯れず、果実は絶えることなく、月ごとに実をつける。水が聖所から流れ出るからである。その果実は食用となり、葉は薬用となる」とあります。

　　神殿から湧き上がった水は、砂漠に命を与えた水でありました。それは、命と治療の根源である「命の水」であったのです。神の回復は、私たちを生き返らせてくださるのです。それと共に神による回復によって私たちには生きていくための、必要なものさえも与えられるのです。エゼキエルにお示しになりました神は「回復」の源であり、　　全てのものが生き返らせる「命の根源」としての神でありました。

　　詩篇２３：２－３でダビデは「主は私を青草の原に休ませ、憩いの水のほとりに伴い、魂を生き返らせてくださる」と賛美しています。預言者のホセアは「さわ、我々は主のもとに帰ろう。主は我々をいやし、傷を包んでくださる。主は我々を生かし、立ち上がらせてくださる」（ホセア６：１－２）と、回復の源である神を賛美しているのです。また預言者のイザヤも「主は民の傷を包み、重い打ち傷を癒される」（イザヤ３０：２６）と、「まことの回復」は神のものであると賛美しているのです。


　　イエスにおける回復
　　イエス・キリストがなさった働きは、罪に支配されていた私たちを「回復」させるためでありました。その回復は、ヨハネによる福音書５：２１節にあるように、「永遠の命を与えること」です。罪によって曲がっていた私たちの人格は、キリストの十字架の働きによって回復されたのです。イエス・キリストによって、私たちは生き返らせられました。イエス・キリストによって病んでいた私たちの「心と体」は、癒されました。イエス・キリストに働きによって、砂漠のような私たちが豊かな実を結ぶものとなったのであります。イエス・キリストは私たちに「神から与えられる栄光輝かしい神の希望、また神の手によって建てられる神の国」という希望が与えられました。私たちと私たちの教会はキリストによって新たな力を得て、終わりの日を待ち望みながら、現在の「暗いトンネルの中」を歩むことが出来るようになったのであります。全てのものを「回復」させることが出来る十字架のイエス・キリストこそ「神殿の水」なのです。

　　ヨハネによる福音書７：３７－３８でこう言われています。「渇いている人は誰でも、私の所にきて飲みなさい。私を信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる」と。私たちを回復させられるお方は、ただ「十字架のイエス・キリスト」のみです。


　　回復の働き
　　最後になりますが、キリストにあって回復された私たちに大きな働きが与えられております。それは、この世に対して私たちが「神の回復」を宣べ伝えることであり、証ししていくべき責任です。人間の手による「回復」は「元の良かった状態を取り返す」ことしか出来ないが、神はすべての命を生き返らせるのです。社会や文化に向けて、また私たちの自身、あるいは家庭に向けて、叫ぶべきことは、まさに全てのものが生き返らせるものであり、また永遠に枯れることのない、「神の回復」ではないでしょうか。